Oberlin life 〜アメリカ大学留学記〜

アメリカ、オハイオ州にあるオーバリン大学の1年生です。人口8000人の小さな街での大学生活について綴っています。

大好きな作家さんについてひたすら語る −2

というわけで思ったより遅くなってしまいましたが、前回の続きです!今回は、高校・大学編です。

最後の方はかなり語ります。笑

 

目次

 

高校生

高校生の時は、ベトナムに住んでいたので、簡単に日本の本を買える環境ではなかったです。ただ、ハノイ文庫という小さい図書室(主に子供向け、大人の本も少しあり)があって、そこでボランティアをしていたのもあり、結構本と触れる時間は持てていました。

また、インターナショナルスクールに入ったことで、日本語が恋しくなることも多く、中学時代のような部活漬けの日々でもなくなったため、読む量は割と増えていたのではないかなと思います。

 

高校時代、まずハマったのは前回の中学時代編でも触れた、自己啓発本でした。ただ、何冊も読むうちに、気づいてしまったんです、、、自己啓発本って、どれも同じようなことが書いてある。笑

もちろん、全く同じってわけではないです。ただ、結局、自分が行動しないと何も変わらないし、これ以上、自己啓発本を読んでも自分は変わらないなって判断しました。で、自己啓発本ブームは終了。

 

ただ、自己啓発本ブーム中に出会って、その後も追い続けたのが、断捨離やミニマリスト系の本!こんまりさんにハマったのも高校時代です。あとは、前回紹介した「フランス人は10着しか服を持たない」も、何度も読み返したり、英語でシリーズ全部呼んだりしました。

 

その後は、前述したハノイ文庫で、主に小説を色々と読みました。そこで、知り合いに勧められてハマったのが、有川浩さん。最初に読んだのが、「三匹のおっさん」でした。

三匹のおっさん (新潮文庫)

三匹のおっさん (新潮文庫)

  • 作者:有川 浩
  • 発売日: 2014/06/06
  • メディア: 文庫
 

この本、ものすごく面白いので、おすすめです。結構長いのですが、さらりと読める一冊です。

 

「三匹のおっさん」のあとは、「阪急電車」、「植物図鑑」、「県庁おもてなし課」など、続けざまに有川浩さんの本を読みました。私のおすすめは、「阪急電車」です!

阪急電車 (幻冬舎文庫)

阪急電車 (幻冬舎文庫)

  • 作者:有川 浩
  • 発売日: 2010/08/05
  • メディア: 文庫
 

 実在する電車での何気ない会話や人間模様を描いた一冊で、普段から人間観察が大好きな私には最高でした。今も何度も読み返す一冊です。

 

そして、日本への一時帰国中に、運命の出会いをします。2016年本屋大賞受賞の、宮下奈都さんの「羊と鋼の森」。まだ出版されたばかりの頃、店頭に並んでいた注目のハードカバーの本たちの中で、なんとなく惹かれて手に取りました。

羊と鋼の森 (文春文庫)

羊と鋼の森 (文春文庫)

 

読んでみて、びっくりしました。劇的なことが起きる話ではないのですが、とにかく表現が繊細で美しくて、こんなに綺麗な文体の作家さんがいるのか、と衝撃を受けました。

 

そこで惚れた宮下奈都さん、その後、今までずっと追い続けてきました。ベトナムにいた間はなかなか日本の、特に最近の本は手に入らなかったため、高校卒業後、大学入学前に日本でたくさん読んだあたりから大ファンになりました。

 

それから、高校時代は、英語力を伸ばすために洋書も読んでいました。読みやすさ、面白さ、という点でおすすめなのはこの2冊です!

The Giver (Giver Quartet, Book 1)

The Giver (Giver Quartet, Book 1)

  • 作者:Lowry, Lois
  • 発売日: 1993/04/26
  • メディア: Kindle版
 
The Hunger Games (Hunger Games Trilogy, Book 1)

The Hunger Games (Hunger Games Trilogy, Book 1)

 

 あとは村上春樹の英語版とか読んでました。「ノルウェイの森」、「1Q84」は、英語でしか読んでいません。

 

大学生

というわけで大学生編!大学生になって、最初の頃はとにかく宮下奈都さんの本を読み続けていました。特に大好きなのが「スコーレNo. 4」!

スコーレNo.4 (光文社文庫)

スコーレNo.4 (光文社文庫)

  • 作者:宮下 奈都
  • 発売日: 2009/11/10
  • メディア: 文庫
 

ここまで、本の主人公に共感し、感情を揺さぶられ、温かい気持ちにさせられたのは初めてだったかもしれません、、、たとえこの主人公と自分のいる状況やバックグラウンドは全く違っていても、びっくりするくらい共感してしまうんです。

多分その理由は、宮下奈都さんの、登場人物の描き方によるものだなと思います。登場人物が考えていることの変化、感情の揺れ動きがすごく丁寧に描かれていて、自分では言語化できないような思考が見事に描かれているんです。そして、比喩や表現が綺麗!ちょっとした景色や季節、場面の描写がすごく綺麗で、何も起きない場面でも、満たされた気持ちになります。

 

ちなみに好きすぎて、今大学でとっている翻訳の授業で、この本の一部を英訳しています。すごく難しいです。読んでいて感動した比喩やオノマトペに、いざ翻訳するとなってからめちゃくちゃ悩まされています。でも、こんなに素敵な文章が、日本でしか読まれていないのはもったいない!!将来的には、宮下奈都さんの本の翻訳に関われたらいいのにな、なんて頭の片隅で思っています。

 

宮下奈都さんの小説は全部読んだのですが、「スコーレ No. 4」以外で私がオススメするのはこれ!

田舎の紳士服店のモデルの妻 (文春文庫)

田舎の紳士服店のモデルの妻 (文春文庫)

  • 作者:宮下 奈都
  • 発売日: 2013/06/07
  • メディア: 文庫
 

最初にあらすじを読んだ時には、30代くらいの主人公に共感できるわけがないと思ったのに、いい意味で裏切ってくれた本です。この主人公の考えていることを読んでいると、頷くところが多すぎて本当に驚きました。大好きです。

 

さて、前述した通り、宮下奈都さんの小説は読破してしまいました。エッセイ集も、1冊を除き読破、その1冊は日本の実家に置いてきてしまったので夏までお預けです。大学にいる間は、なかなか日本語の本は手に入らず、次に何を読もう、、としばらくなっていたのですが、ここで救いの手が降りてきました。大学の日本語学科です。

 

私の大学の東アジア研究学部のオフィスには、日本語学科所有の本棚があり、主に日本に帰国した先生方の寄付した本がたくさん置いてあります。そこの本はいくらでも借りて読んで良いと先生に言っていただいてから、しょっちゅう本を借りています。

 

そして、大学2年生になって、その日本語学科の本棚で、衝撃の出会いがありました。それが、江國香織さんです。最初に読んでのが「思いわずらうことなく愉しく生きよ」

思いわずらうことなく愉しく生きよ (光文社文庫)

思いわずらうことなく愉しく生きよ (光文社文庫)

  • 作者:江國 香織
  • 発売日: 2007/06/01
  • メディア: 文庫
 

実はこの本、タイトルを見て自己啓発本かなと思い、随分と楽観的な自己啓発本だなと手に取ったんです。それで読んで衝撃。小説だった。そして、めちゃくちゃ良かった。

まず驚いたのが、ぶっ飛んだ登場人物たち。どの人も個性的で、同じような人はまず周りにいないんですね。でも、どの登場人物も決して遠い存在ではなく、身近な存在で、共感する部分もたくさん持っていて、、、この、ありえなさそうでいて、それでいてありそうな、なんとも不思議な世界に魅了されました。

 

ちょうど江國香織さんにハマったのと時期を同じにして、角田光代さんの小説も何冊も読みました。この二人の本をたくさん読むようになったのは、おそらく私の将来への展望の変化にあった気がします。それまでは大学卒業後は大学院に行くかなと思っていたけど、あまり現実的に考えていなかったんですね。それが、現実的に就活を考え始めたのが大学二年生の秋。そして、江國香織さんや角田光代さんの本の、まさに働く若い女性像にすごく憧れを抱いたんです。

 

その後、江國香織さんの本をかなり読みまくり、今も読んでいる途中です。嬉しいことに、私の大学の図書館に江國香織さんの本がたくさん置いてあり、まだまだ読み終わりそうにありません。今まで出会ってきた作家さんって、長編・短編・エッセイってあったら、どれかが特に良い、という人が多かった気がするのですが、宮下奈都さんと江國香織さんは、どれにも違う魅力が詰まっていて、何を読んでも大好きです。

 

江國香織さんに関しては、かなりぶっ飛んだ登場人物や、行動も多いですが、思わず共感したり、憧れを持ってしまうような魅力的な登場人物たちなんです。そして江國さんのエッセイを読んでみて思うのは、この不思議な世界観は江國さんの考え方・経験等によるものなのかなということです。また、留学されていたり、小さい頃に読んでいた本など自分と被る部分があるから、私にはすごく響いたのかなと勝手に思っています。

 

江國香織さんの本で、私が特にお勧めなのは、最初に読んだ「思いわずらうことなく愉しく生きよ」と、この2冊です。

彼女たちの場合は

彼女たちの場合は

  • 作者:江國 香織
  • 発売日: 2019/05/02
  • メディア: 単行本
 

この2冊は、アメリカ在住や、帰国子女・TCKという登場人物たちに感情移入がしやすかったのも大きいとは思いますが、すごく衝撃を受けた本です。特に、「冷静と情熱のあいだ」は、恋愛面では全く共感できないはずなのに、主人公の悩みが自分に重なり、すごく苦しかったです。最後の方に出てくる言葉は思わず手帳に書き留めてしまったほど。私の大事な行動指針になっています。

 

ちなみに、英語では授業の課題として読む以外はあまり読まないのですが、読むとなると興味のある言語教育やTCK関連になります。その中でも私のバイブルとなっているのがこの本です。

Third Culture Kids 3rd Edition: Growing up among worlds
 

 

というわけで長くなってしまいましたが、大好きな作家さんと本紹介第二弾、高校生・大学生編でした!こうして見てみると、自分の思考の変化が分かってすごく面白いですね。

いま外出自粛生活を送っている方が多いと思いますが、ぜひ、これらの本を読んで見てください!私は明日からオンラインにて授業再開するので、また状況報告等、ブログに書きたいと思います。

 

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