Oberlin life 〜アメリカ大学留学記〜

アメリカ、オハイオ州にあるオーバリン大学の1年生です。人口8000人の小さな街での大学生活について綴っています。

混乱とパニックの中で

こんにちは!

 

日本では数週間前からイベントの中止、大型遊戯施設の休館や小中高の休校要請が始まっていましたが、アメリカにも新型コロナウィルスの波がやってきました。

 

私のいるオハイオ州は3月10日月曜日に初めて3件確認され、それを受けて州知事が非常事態を宣言しました。その後、各大学に様々な要請が出され、火曜の夜からメールがひっきりなしに届いています。

 

火曜の夜(3月10日)

春休み(3月21日〜29日)の開始が2日早くなることが発表される。家に帰れる学生は帰ること、休み後のオンライン授業の可能性を示唆される。

 

水曜日(3月11日)

春休みにキャンパスに残れるのは許可をもらった人のみになる。それ以外の人は3月21日土曜日の正午までにキャンパスを発つことが義務付けられる。授業がオンラインになるかは、3月25日までに発表されるとのこと。

 

木曜日(3月12日)

オハイオ州の要請により、対面授業が翌日(3月13日)まで、そして許可をもらっていない学生は3月16日月曜の正午までにキャンパスを発つこと、という通達がなされる。今学期の残りの授業は全てオンラインに移行することが発表される。

 

3日間で状況が一変し、キャンパスは混乱に陥りました。一つ一つのアナウンスがあるたびに泣く子達、パニックになる子達が、沢山いました。特に木曜の発表を受けて、卒業する4年生たちはもうキャンパスに戻らないことが決まり、泣く学生が沢山、、、

その間にグローバルパンデミック宣言、トランプ大統領の非常事態宣言もあり、本当に沢山のことが一気に起きました。

それ以外にも、突然の通達、パッキング、あまりの状況の変化にショックを受けている学生が多くいました。家に簡単には帰れない子もいますし、仕方ないとはいえ、難しいですよね、、、

 

初めてのことに私も驚いてはいますが、不思議と落ち着いていると言うか、開き直っています。なるようにしかならないし、いま私ができることは少ないし。

留学生に関しては、大学側が、国外への移動は避けるようにとの通達を出しているのもあり、キャンパスに残る許可は下りました。状況を見つつ、とりあえずはオーバリンにいるつもりです。

 

今はとにかく、周りの人たちをサポートすることに尽力しています。火曜に最初のメールが来て以来、友達からくる沢山のメッセージに一つ一つ返信し、わかる情報は提供してできるだけ落ち着いてと声をかけて来ました。

 

そして同時に、授業や仕事にはできるだけ通常通りに取り組んで来ました。特に仕事は、いま大学のインターナショナルオフィスとアドミッションオフィスで働いているため、責任を感じることも多く、、、

来週末に合格発表があるのですが、合格した学生向けのキャンパスでのイベントができない分、オンラインコンテンツの作成、ソーシャルメディアの担当の時には、普段通りの態度でいること、等やることは沢山あります。

インターナショナルオフィスは、帰るべきか、帰らぬべきか、その他もろもろで質問のある学生が殺到。私は、アポの取り方を教えたり、デマに惑わされている学生と話したりしていました。また、キャンパスに残る申請をした留学生向けに、いつ許可が下りるのか、等の情報を、インターナショナル生担当のスタッフさんと連絡を取り合ってアナウンスしています。

お陰で連絡してくる人たちが沢山で、対応に追われています。

 

いまは、ショックはだいぶ去り、みんなちょっと虚無感や心にしこりを抱えつつ、パッキングをしています。バタバタとしたお別れ、荷物の片付け、余った食べ物を大量に配布する人たち、、、

ずっと周りをサポートしようと頑張ってきましたが、私もだんだんと疲れも出てきました。色んな人の悩みを聞き、自分はブレずに笑顔を保つのは簡単ではありません。

 

これは友達とも話したことなのですが、こういった、緊急事態、というのは、みんなの芯の部分が見えるということを実感しました。だから、周りと話していて、普段は見えない部分が見えて正直傷つくことも、がっかりすることもありました。誰のせいでもないからこそ、憤りを向ける矛先を間違えて怒鳴ってくる子もいたり、、、

 

でも、こんな時だからこそ、みんなの助け合いの精神に触れ、心が温かくなることも度々ありました。一時は「天と地がひっくり返るような」と形容したスタッフもいたくらいのパニックに陥ったキャンパスですが、共に乗り越えようとする、優しい人たちが沢山います。

住む場所・交通手段・食べ物等を提供している人と探し求めている人をマッチングできるスプレッドシートを学生自ら作成し、全学生に共有されています。家に帰ることもオーバリンに残ることもできない学生を自宅に泊めてあげる子も沢山います。

教授やスタッフも、何かあったら言ってねと言ってくれています。私の友達は教授のガレージの空きスペースに荷物を置かせてもらっていたり。私は、友達とスーパーで買い出しに行った帰り、面識もない大学の教授がキャンパスまで車で送ってくださりました。感謝しかありません。

 

少しとりとめもなく書いてしまいましたが、今のところ、オーバリンの現状はこんな感じです。今日は多くの学生がもうキャンパスを発ち、だいぶ静かになってきました。私はここ数日の疲れが出て、部屋にこもっていました。

 

というわけで、コロナウィルスと大学の状況でした。また、スーパー等の買い占めなどについては別で書きます。