Oberlin life 〜アメリカ大学留学記〜

アメリカ、オハイオ州にあるオーバリン大学の1年生です。人口8000人の小さな街での大学生活について綴っています。

TCK (Third Culture Kids)とは?私のアイデンティティ

こんにちは!

 

今日で春学期の授業全てが終了しました!これから、4日間のReading period(リーディングピリオド)に入ります。この期間は授業がなく、宿題を出すのも禁止で、ひたすら試験勉強期間です。そのあと5日間で期末試験があって学期終了です。あっという間、、、

 

Reading period、ひたすら勉強と書きましたが、どう過ごすかはその人次第です。そしてこの期間は授業やバイト、クラブのミーティング等がなく、みんなスケジュールが真っ白になるため、イベントがたくさん開催されます。本来はその真っ白な部分は勉強で埋めるべきなのですが、、、まあそうはいかないですね。笑。

 

私は一応大人しく勉強する予定ですが、友達と料理する約束とか映画見に行く約束とか見に行きたいコンサートとかあり、勉強いつしようって感じです。行きたかったイベントいくつかは諦め、今のうちに勉強の予定を立てているところです。週末中にペーパー終わらせる宣言を友達にしてしまったのでまずはそこから頑張ります。

 

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ちなみに昨日は友達と、売店にあったアメリカのチョコを全て試すという無茶振り 笑

実際に食べたのは2つだけで残りは今度にお預けです!1つ目が既に甘すぎて死にかけました…試験前、試験期間って食生活とか睡眠乱れがちなので気をつけなきゃです

 

さて、そんな期末試験ですが、大きく分けて2種類あります。

  1. テスト ー 2時間のテスト
  2. ペーパー ー 大抵5〜10ページの論文

どのクラスも、テストかペーパーのどちらかです。テストの日にちと時間、ペーパーの締め切りはどちらも、授業のスケジュールによって大学側から指定されます。なので、教授や生徒の都合で変えることはできません!私は今回、テストが2つ、ペーパーが2つなのですが、テストの日にちが被り、木曜は9時から11時で経済、14時から16時で数学です。既に戦々恐々としています、、、

 

そしてペーパー2つですが、1つは学期の振り返りみたいな簡単なもの。もう一つは10ページのペーパーです。教育学の授業のなのですが、トピックがまず、教育学ならなんでもという、自由度の高すぎる課題。授業内でこのペーパーに関するプレゼンがあったのですが、みんなトピックがバラバラで面白かったです。小児科に入院する子供たちの教育や、障がいを持った子への教育、第二言語教育、教育における人種問題、学校の服装に関するルール、性教育、高校生の自殺問題等、色々なプレゼンが聞けて面白かったです!そして、こんな風に興味の範囲の広い人たちとクラスが取れて良かったなと思いました。正直、教授との相性はいまいちだったのですが、ここまでクラスのメンバーが良かった授業は初めてかもしれません。みんなの名前覚えられたのも珍しい〜20人超えの授業だと大抵何人かは知らずに終わる気がします。

 

そんな教育学のペーパー、私のトピックは日本における帰国子女への教育をテーマにしました。最初はバイリンガル教育も良いかなと思ったのですが、友達とトピックが被ったのと、色々な資料を読んでいるうちに、より自分の経験に即したテーマにしたいと思い、これにしました。そしてここで出てくるのがTCKというフレーズです。(やっと本題に辿り着きました、、、)

 

TCK、Third Culture Kidsとは、主に海外に一定期間滞在した子供たちのことを指します。Third Culture、第3の文化、というのはその子供の第1の文化(両親、母国の文化)と第2の文化(住んでいる国の文化)の間に生まれるものです。そしてThird Culture Kidsは、自分の両親の文化と滞在先の文化の狭間に生きる子供たちのことです。ちなみに、第1の文化は親の文化や慣れ親しんだ母国の文化全て、第2の文化は滞在した国の文化全てを指すため、親が様々な国にルーツを持つ場合や、複数の国に住んだ場合でも、第4の文化が登場することはありません。

 

そしてこのTCKという概念、非常に自分中心です。海外に住んでいても、自分は日本人という意識が強い人もいれば、滞在国に強いつながりを感じる人、宙ぶらりんな感覚に陥る人等、様々です。そんな人たちの受け皿でもあり、自分で自分はTCKかどうか決められる、というのが私がTCKのコンセプトが好きな理由です。

 

私自身、「日本人です。」というより、「TCKです。」と言う方がしっくりきます。私は3歳で初めて海外に引っ越し、幼児期と高校時代を海外の別々の国で過ごしました。換算したら人生の3分の1強と、日本にいた期間の方が長いのですが、それでも宙ぶらりんな感じは否めません。

 

今回、このペーパーを書くにあたって色々な文献を読んで知ったのは、まだ発達段階にある子供の方が、滞在先を自分の家、居場所、と認識するということ。大人にとっては、海外赴任の数年間いるその国は仮の住処であっても、子供にとってはそこが本当の住処なんです。3歳でチュニジアに引っ越した私にとって、当時は確かに、チュニジアが家でした。

 

また、TCKの持つ第3の文化、というのは、何か1つ中心となる文化や国がありません。だから、曖昧に状態に陥りやすいのかなと思います。

 

それに加え、日本人のTCK、帰国子女は、日本の横並び教育で苦労することが多々あります。その理由としては、言語の違いだけでなく、日本独特のコミュニケーション方法といった部分は大きいです。例えば、日本では空気を読む、察する、という文化があり、細かいことまで言わなくても相手は察してくれるだろうと想定して会話をします。しかし、これは日本が1つの人種、言語が大半を占める国だからであって、アメリカで察する会話というのは不可能です。ここでは、みんなが思ったことをきちんと口に出します。これが、日本ではきついと捉えられることも多いようです。でも、アメリカではむしろ、口に出さないといないも同然、むしろ発言することが歓迎されるわけです。なので、根本的なコミュニケーション方法の違いというのが、国間、文化間の移動をするTCKにとっては足枷となりやすいのです。

 

私個人の経験に戻ると、まず、3歳でチュニジアに渡り、アメリカンスクールに通ったのですが、最初は英語が全く喋れず、超がつくほどの人見知りも手伝ってほとんど学校で発言をしませんでした。言いたいことを言えるようになったのは3年目、最後の年だった気がします。

 

その後、日本に帰国。義務教育期間のほとんどは日本で過ごしました。それだけ長くいれば日本に慣れるだろうと思われるかもしれませんが、そうはいきませんでした。特に私は帰国子女や外国人のほとんどいない地域に住んでいたのもあり、帰国子女、チュニジア帰り、というと好奇の目にさらされることも多かったです。

 

かといって、私は同化の道は選びませんでした。帰国子女によくあるジレンマとして文献に出て来たのが、日本で溶け込みたい、でも帰国子女であるという自分のユニークな部分も失いたくないという葛藤です。私もそれでした。英語ができること、チュニジアに住んでいたことは自分の大事なアイデンティティーの一部でした、でも、日本の学校でみんなの輪に入りたい、なかなかその両立が難しいのが日本の学校なのかなと思います。

 

そしてその後、私は高校生でベトナムへ。インターナショナルスクールで3年間過ごしました。最初の頃は英語に苦労したものの、最後はかなり居心地が良くなっていました。その大きな要因はインターナショナルスクールの特殊さにあると思います。インターナショナルスクールに来ている子達ってほとんどがいわゆる外国に住んでいて、そうでなくても海外に何度も行った事のある子達ばかりです。3年ごとの引っ越しは当たり前の世界。要は、TCKばかりなんです!これは、どこの国の学校に行ってもありえない事だと思います。

 

そんなこんなで馴染んだインターナショナルスクールから、同じ英語だし余裕だろうとやって来たアメリカの大学。正直、授業はそんなに大変ではなく、高校で鍛えられたなという印象でした。でも、人間関係は難しい!アメリカ人たちは国を出た事のない、英語しか知らない人たちも多く、留学生も自分の母国で生まれ育った子が多いです。TCK少ない!!私にとっては、日本からの留学生、よりも色々な国で教育を受けて来たTCK、というアイデンティティーの方が強いため、留学生でも経験等合う子合わない子はやっぱりいます。結局いま一番仲良い子達もほとんどがTCKです。

 

この記事で何を伝えたかったかというと、人は何人、といった人種や国籍、文化で区分することはできないということ、そしてこの曖昧な宙ぶらりんさが今の私の大事なアイデンティティーだということです。少しでも伝わればいいなと思います。

 

さて、引き続きペーパー頑張ります。

 

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