Oberlin life 〜アメリカ大学留学記〜

アメリカ、オハイオ州にあるオーバリン大学の1年生です。人口8000人の小さな街での大学生活について綴っています。

3月の読書記録

自分の中で恒例になってきた読書記録。3月は春休みがあったのもあり、結構読めました。計11冊。今月は大好きな作者さんの本を多く読んだので、作者ごとに愛を語りつつ読んだ本の紹介をしたいと思います。

 

〜宮下奈都さん〜

 本屋大賞を受賞した羊と鋼の森を読んで以来、宮下奈都作品の虜になりました。とにかく言葉の紡ぎ方が美しいです。そして、劇的なことは起こらないからこそ、登場人物の心情の変化や成長が見られ、すごく現実に即した、共感のできる作品ばかりだなと思います。今年、宮下奈都作品制覇する勢いで読んでいて、今月は特に結構読みました。

つぼみ

つぼみ

 

 まず、こちら。私が宮下奈都さんの本の中でも特に好きなスコーレNo.4の登場人物も登場します。小品集と言った感じで、スコーレとはテイストが違い、フォーカスが色々な人物の間で行ったり来たりします。

 

神さまたちの遊ぶ庭 (光文社文庫)

神さまたちの遊ぶ庭 (光文社文庫)

 

 こちらは、エッセイ集。宮下奈都さんが家族と北海道に移住して過ごした一年を綴っています。月並みですが、すごく素敵な文章でした。実際に生活の様子が伝わって来て、全くそのライフスタイルを経験したことがないのに、自分の人生の様々な場面と似ているなという部分が出て来て、そう思わせてくれるこの文章、すごいなと思いました。北海道の山奥、というちょっと特別な場所で過ごした1年間を、普通の日常生活として描いているからこそ、余計に引き込まれます。

緑の庭で寝ころんで

緑の庭で寝ころんで

 

 こちらもエッセイ集。色々な場所に掲載されたエッセイを集めたものなため、少し繋がりが見えずらかったものの、読んでいて楽しかったです。

 

終わらない歌 (実業之日本社文庫)

終わらない歌 (実業之日本社文庫)

 

 こちらは、1年ほど前に読んだよろこびの歌の続編です。ニューヨークのブックオフで買い、すぐに読みきりました。前作を読んでから結構経ってしまったのでどうかなと思ったのですが、すごく良かったです。よろこびの歌は登場人物が高校生だったのに対し、終わらない歌ではみんなが大学生になっていて、個人的には感情移入がよりしやすかったです。

 

田舎の紳士服店のモデルの妻 (文春文庫)

田舎の紳士服店のモデルの妻 (文春文庫)

 

 こちらもニューヨークのブックオフから。店頭にあった宮下奈都作品、読んだことないのは全て買い占めちゃいました。これ、あらすじのところを見ていて登場人物の年齢が自分よりだいぶ上なこともあり、そこまでかなと思っていたのですが、大ヒットでした。30代の女性が主人公なのですが、すごく感情移入してしまい、わかるわかる!と思うシーンがたくさんありました。すごく周りから見たら平凡な主婦。でも、色々な葛藤があって、その内面部分がすごく丁寧に描かれています。宮下奈都さんの作品ってどれもすごくうまく感情移入させてくれて大好きなのですが、これは特にその傾向が強かったです。スコーレNo.4に並んで私は好きでした。

 

〜有川浩〜

有川浩さんは、高校生の時に三匹のおっさんと阪急電車を読んで好きになりました。以来、植物図鑑や県庁おもてなし課等、色々と読んで来ましたが、今月読んだのがこちら。

フリーター、家を買う。 (幻冬舎文庫)

フリーター、家を買う。 (幻冬舎文庫)

 

 すごい勝手なイメージで、グダグダしてるフリーターの物語なのかと思ったら全く違ってびっくりしました。家族関係とか、登場人物それぞれが色々なものを抱えていて、でもそこをうまく描いていて。これは少ししたらまた読み返したい作品だなと思いました。

 

〜浅田次郎〜

浅田次郎さんは今まで読んだことがなかったのですが、大学の日本語の先生のお勧めされ、2冊読んでみました。泣けますよと言われたのですが、本当に泣けました。

椿山課長の七日間 (朝日文庫)

椿山課長の七日間 (朝日文庫)

 

 まずこちら。ある日、過労死してしまった椿山課長が、姿を変えて現世に七日間だけ戻るというのがざっくりとしたあらすじです。でも、すごく奥の深い作品で、心が痛みます。人間の美しさを見たい方、本読んで泣きたい方にお勧めです。私ももう一回読んでスッキリしようかな。笑。

 

天国までの百マイル (朝日文庫)

天国までの百マイル (朝日文庫)

 

 こちらも泣けます。これは、病気の母の治療のために奮闘する息子の物語なのですが、この人、ダメダメなんです。正直、どうやったらそうなったのかと聴きたくなるのですが、だからこそ最後の方は泣けます。家族や貧困等、社会問題にも触れていて、考えさせられる作品です。

 

〜森絵都〜

森絵都さんは、小学校の時にカラフルを読んで以来かな。でもカラフル、好きです。

みかづき (集英社文庫)

みかづき (集英社文庫)

 

 今月読んだのが、みかづき。これは、塾の創立者の物語です。とりあえず、かなり長いです。物語内の時間も、ページ数も。なので、ある程度まとまった時間のある時に読むことをお勧めします。これは、教育に興味のある人は絶対読むべきだと思います。話自体はフィクションですが、現在の教育が抱える様々な問題点や塾の発展と実態等、非常に重要な項目がたくさん出て来ます。すごく面白く、勉強になりました。

 

〜ノンフィクション〜

ノンフィクションは、特に作者について言うことがあまりないため、作者ごとにはしません。

 

日本語を外国人に教える日本人の本

日本語を外国人に教える日本人の本

 

 日本語教授法の授業を取っていたり、日本語のチューターをしていて、すごく気になったので読んで見ました。ちなみに大学の日本語プログラムのオフィスから借りて来ました。これ、絵や図付きで様々な文法事項の説明の仕方を解説していて、すごく役立ちました!また、日本語教授法の授業の一環として模擬授業というのを行ったのですが、私のトピックであった敬語についても触れていて、模擬授業を準備するにあたって参考にしました。(結局使わなかったけど)

 

多動力 (NewsPicks Book)

多動力 (NewsPicks Book)

 

 たまには話題の本も。ということで今年2冊目の堀江貴文です。2冊読んで、私、どうしてもこの人の言っていることの全てには賛成できないなというのが正直な感想です。肩書きを増やす、とか、色々なプロジェクトに関わる、ということは私も大学でやるようになってすごく共感できるのですが、私は生まれ持った性格とかがこの人と全く違うため、それによって学校とかをどう経験して来たかも違うのかなーと。だから、そう言った考え方の違いはある意味自然なことなのかなと思いました。批判したいわけではなく、単純に合わないかもしれないというだけです。

 

というわけで、11冊!春休みに大感謝です。(その分、今は試験やら課題やらで苦しんでます、、、)

 

4月は本が読めるのか怪しいほどの忙しさですがなんとか読もうと思います。